ホシノ天然酵母の起こし方
ホシノ酵母の起こし方が、初めに作り出した人。
星野昌さんの唱えた作り方と変わってきています。
現在の作り方は、酵母 1 に対して水を 2 倍入れる方法です。
昌さんが初めに唱えたのは酵母 1 に対して 水 1.5 倍入れる方法です。
この方法がベストだと 昌さんから言われていた私達は、一度もこの方法を崩してはいません。
作り出した人が推奨しているのですから、なにおかいわんや!です。
どうしてこうなったかと言うと2倍法の方が計算が易しいからです。
そして酵母お越しが早くなるからです。
水分が多いため早く発酵が進みます。
美味しい味を出す ホシノ酵母ですが、やはり手間暇がかかりますと、多くの人に使ってもらえません。
特にイーストを使っていたパン屋さんは、すべての作業に時間がかかり過ぎると思っています。
そのような事でなかなか手が出せない状態でした。
少しでも早く酵母が起こせて使えればそれに越した事は有りません。
昌さんの息子さんの 益男さんは、とてもマーケティングにたけた人でした。
少しでも多くの人にこの酵母を使って欲しかったのです。
ですからイーストを混ぜて使っても、あまり気にはしませんでした。
昌さんはそのような事を絶対に認めませんでした。本来の職人さん気質で味を重んじる人でしたから。
2倍法になったのも益男さんの時代からです。
広く浅く広がるか、狭く深く、広がるかの違いです。
益男さんが居なければホシノ酵母はここまで多くの方に使ってもらえなかったでしょう。
その意味ではとても良かったと思います。
そもそも 天然酵母を使うという事自体 パン作りの差別化です。
そのようにしないと、リテイルベカリーは大手と戦ってはいけません。
ほぼほぼ ホシノ酵母も一般化されてきて、多くのパン屋さんに使ってもらえています。
星野昌さんの嬉しそうな顔が目に浮かびます。
そこで今回は私たちの酵母お越しをご紹介いたします。
このように作ると常に安定した酵母を2週間に1回仕込めば良いだけです。
手間がかからず 美味しい酵母になります。
どのくらい酵母のパンを作るかによりますが、酵母種を5㎏として水は7.5㎏ 入れます。
次にそこそこ混ぜて、(きれいに混ぜない所がみそ)ラップをしてなるべく空気が入らないようにして蓋をします。
ドウコンに入れて15℃に4~5日程置き、苦みが出たら、冷蔵です。
美味しく長持ちのする酵母が出来ます。
これぞ差別化です。 差別化には手間がかかるのです。
砂糖や副材料の入らないパンを作ると、味の違いが良く分かります。
5㎏は大きなモリブデン寸胴で作りますが、それを小さな寸胴の入れ物に移し、毎日使った分だけ大きな容器から足していきます。
ウナギのたれ状態です。 そうするといつも同じ状態の酵母になりパンに出来不出来の差が有りません。
酵母を使いきるという事が無いので、とても楽です。
この方法で30年以上やってきました。
考え方ひとつなので、私達の方法を紹介いたしました。
興味の有る方は実行してみて下さい。
コメント