私達も一番初めにパンを作った時には、生イーストで

作っていました。

食パンも菓子パンも、バターロールも全て生イーストで

作っていたのです。

 

ある時、朝日新聞でホシノ酵母の紹介を見てから、

ホシノ酵母を使いだしました。

中種で、外麦を使用していた時には、殆ど感じなかったのですが、

国内産の小麦を使う事になって、製法をストレート方に変えてみました。

 

外麦の場合とは打って変わって、生地の膨らみが悪いのです。

型に入れないものは何とか見た目も良いのですが、

山形食パンを作ると、立ち上がりが悪いのです。

 

でもまぁ、国内産の小麦なので仕方がないかな~と

日々作っていたのです。

 

ところがある日の朝、工房を訪れると、生地の発酵が

過ぎた状態になっていたのです。

 

「いやぁ~、今日は発酵オーバーで失敗だわ」と

ガッカリしたのです。

 

ところが、ところが、何と、最終発酵を終えて、焼きに入ると

窯伸びが半端ないのでした!

 

これには、本当にびっくり仰天!!!

 

膨らみの良い、美味しいパンが焼き上がったのです。

それまでの、パンとは大違い!

 

その事件をきっかけに、一次発酵の見直しをする事となりました。

イーストの場合、フンガーテストと言って、生地に指を差し込んで

その時の生地の戻り具合で発酵の状態を、確かめるのです。

その時の生地は、まだまだ全体に張りがある状態です。

 

でも私がその時に上手くいった生地は、張りが無くなり、

一部がへこんで来ている状態でした。

イーストの発酵完了の場合より、かなり時間が経過しているようでした。

 

この事をきっかけに、一次発酵の見極めを今までより遅くして、

生地によっても少し違えるなどして、

パンを上手にふくらませられるようになりました。

 

当時よそのパン屋さんも見学に来たくらいでした。

 

又其の事を 「生きているパン」という 本にまとめて

出版しました。

多くの方から【驚きの】お手紙をいただいたのでした。

 

結論として、天然酵母の場合は、酵母の菌株数がイーストよりも少ない為に、

発酵を多くとらないと、いけません。

かと言って ひどく多くしてもいけないので、その加減が難しいです。

そして、最終発酵においては、イーストのパンのほうが、発酵を多く取るようです。

 

天然酵母の場合、最終発酵を余り多めにとると、かえって膨らまなくなります。

ここも加減が難しいです。

生地によっても違いますから。

 

締木 信太郎(著)【パンの百科】に一次発酵の見極めは、

今回の天然酵母パンの見極めと同じように表現してあります。

 

昔のイーストは、今ほどに力が無かったのだと思いました。

 

この発酵の見極めについては、自家製酵母のパンでも同じです。

しっかり膨らんで美味しいパンが出来ます。

砂糖や卵入りのパンは、もっと上手に出来ます。

 

試してみてください。